記者会見をする日本郵便の千田哲也社長=2025年4月23日午後4時3分、東京都千代田区、嶋田達也撮影

 日本郵便が、全国の7割超の郵便局で点呼が不適切だったと公表した。不正の横行に驚きが広がり、次の焦点は車両停止処分の規模や期間に移る。同社では他にも不祥事が相次ぐ。物流から金融まで担う一大グループの体質は深刻だ。

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 「重層的な組織構造で、郵便局の現場で発生している不正の実態把握ができていない」「民営化以前からの上意下達の組織風土で、現場の声が経営層に届かない組織体制となっている」「リスク情報がもたらされてもリスク感度が低く、情報が矮小(わいしょう)化され、抜本解決がされない」

 これは2019年末、かんぽ生命保険の不正を調べた特別調査委員会が日本郵便などのガバナンス上の問題として指摘した点だ。

 直後に就任した増田寛也・日本郵政社長は、組織風土の改善や企業統治の強化を最優先課題とした。「バッドニュースはすぐ知らせて」と呼びかけ、内部通報制度を刷新するなど、リスク検知の体制整備に取り組んだ。

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だが、組織の形やルールが変わっても、自ら不正をただせない体質は変わっていない。

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