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円相場

 31日の外国為替市場で円相場は円安ドル高が進み、一時、4月2日以来、約4カ月ぶりに1ドル=150円台をつけた。日本銀行が31日の金融政策決定会合で利上げを見送ったことで、日米の金利差が広がったままとの見方が拡大。低金利が続く円を売り、高金利のドルを買う動きが進んだ。

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 日銀の植田和男総裁は会合後の会見で、物価と経済が見通し通りなら「引き続き、政策金利を引き上げていく」と利上げ姿勢を示しつつ、具体的な時期の言及は避けた。米国の関税政策の影響などを見極める姿勢を強調したことで、市場の一部では利上げに消極的な「ハト派」と受け止められたようだ。

 一方で、米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置いた。据え置きは5会合連続で、パウエル議長は次回の9月会合で利下げするかどうかについて具体的には言及しなかった。

 このため、日米の金利差が縮まらないとの見方から、円を売ってドルを買う動きが強まった。

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