12日の外国為替市場で円相場は円安ドル高に振れ、一時1ドル=148円台後半をつけた。4月上旬以来、約1カ月ぶりの水準となる。午後4時ごろに米国と中国が関税率の90日間引き下げで合意したことが伝わると、円を売ってドルを買う動きが急速に強まり、短時間で2円超も円安が進んだ。
株式市場も二大経済大国の対立緩和の動きを好感した。世界経済が減速するとの懸念が後退し、米主要企業でつくるダウ工業株平均の先物相場が1000ドル超上昇した。輸出企業の業績改善への期待もあり、12日夜の日経平均先物も上昇している。
市場関係者は「想定を上回る内容で、米中対立は山場を越えた印象だ。ただ、日米交渉のゆくえなど不透明感もある」としている。