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円相場

 11日の外国為替市場で円安が進み、一時1ドル=153円台前半まで下落し、34年ぶりの円安ドル高水準となった。米国の物価指数が市場予想を上回り、利下げ開始が遅れるとの見方が拡大。金利が高止まりするドルを買って低金利の円を売る動きが進んだ。市場では、政府と日本銀行による為替介入への警戒が一段と高まっている。

 円が急落したきっかけは、米国経済の底堅さだ。10日に発表された3月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比3.5%上昇と市場予想を上回った。米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)が6月にも利下げに踏み切るとの観測が大きく後退し、米国の長期金利が上昇。金利の高いドルを買い、低金利が続きそうな円を売る動きが加速した。

 11日の東京市場も流れを引き継ぎ、午後5時時点で前日同時刻より1円28銭円安ドル高の1ドル=153円12~14銭となった。この日朝には鈴木俊一財務相が「行き過ぎた動きに対しては、あらゆるオプション(選択肢)を排除することなく、適切に対応していく」と語り、市場を牽制(けんせい)した。

 東京債券市場では、長期金利…

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