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1ドル=155円台の為替相場を表示するモニター=2024年5月2日午前9時18分、東京都港区、小宮健撮影
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 1日の米ニューヨーク外国為替市場で、1ドル=157円台で取引されていた円相場が一時、153円00銭まで4円ほど急騰した。市場では、政府と日本銀行が先月29日に続いて円買いドル売りの為替介入をしたとの見方が広がっている。ただ、2日午前の東京市場では再び円安ドル高に振れ、一時156円台前半まで下落した。政府と投資家との神経戦が続いている。

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 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は、1日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、6会合連続で政策金利を据え置くと決めた。現状維持は市場の予想通りで、FRBのパウエル議長は記者会見で、高金利を長く保つ意向を明らかにした一方で、再び利上げする可能性は「低いと思う」と述べた。

 パウエル氏が利上げの可能性は低いと言及したことで、米金利の上昇による日米の金利差拡大への観測が後退。ニューヨーク市場で、円相場はやや円高ドル安方向に振れ、米東部時間1日午後3時半(日本時間2日午前4時半)ごろには1ドル=157円台半ばで取引されていた。

 しかし、日本時間の午前5時過ぎ、円買いドル売りの勢いが急激に強まり、午前5時45分ごろには153円台前半まで、4円ほども円高が進んだ。FOMCを「無難に通過」(大手証券アナリスト)した後での急騰に市場では驚きが広がった。

 三菱UFJ銀行の井野鉄兵氏…

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