10日の米ニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=153円台まで下落し、約34年ぶりの円安ドル高水準を更新した。米国の物価指数が市場予想よりも上昇し、ドルを買い円を売る動きが進んだ。市場で政府・日本銀行による為替介入への警戒感が高まっている。
10日に発表された米国の3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.5%上昇し、市場予想を上回った。米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方が広がった。当面は緩和的な金融環境が続くとみられる日本との金利差が意識され、ドル買い円売りが広がった。
CPIの発表直後に円相場は152円台後半まで下落。米東部時間10日夕(日本時間11日早朝)にさらに下落し、153円台をつけた。
金利上昇を受け、景気減速への懸念などから10日のニューヨーク株式市場で株価が下落した。主要企業でつくるダウ工業株平均は前日より422.16ドル(1.09%)安い3万8461.51ドルで取引を終えた。(ニューヨーク=真海喬生)