11日の東京外国為替市場の円相場で円高ドル安が進み、一時1ドル=140円台をつけた。今年1月以来、約8カ月ぶりの水準となる。日米の金利差が縮小するとの見方が広がり、金利の上がりそうな円を買ってドルを売る動きが強まった。
日本銀行の中川順子審議委員はこの日、秋田市で講演し、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、金融緩和の緩和度合いを調整していく」などと述べた。今後の追加利上げに前向きな姿勢と受け止められた。
一方で、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が今月17~18日にある会合で利下げに踏み切るとの見方が強く、焦点は利下げの幅に移っている。中川氏の発言を受け、日米の金融政策の違いが浮き彫りになり、日米の金利差が縮小するとの思惑から円買いドル売りが進んだ。(久保田侑暉)