おめでとう――。福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして服役し、再審無罪が確定した前川彰司さん（60）が2日、友人らの祝福に笑顔を見せた。「自分の居場所」という居酒屋の大将たちと、冤罪（えんざい）を訴えるリストバンドにハサミを入れ、「みなさんに力をいただいた」と語った。
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無罪確定から一夜明けた2日午後。福井市灯明寺2丁目の居酒屋「越前丸」に前川さんの友人ら約10人が集まった。大将の吉村延寿（のぶひさ）さん（72）が用意したすしやローストビーフなどを前に乾杯。「よかった」「無罪が決まったニュースでいい顔やった」と祝福されると、顔をほころばせた。
店に足を運ぶようになったのは、4年ほど前。小学校時代の先輩から「来ないか」と電話を受けた。当時は知人らと交流する機会も乏しく、ためらいながら向かった。
吉村さんは、地元住民として前川さんが女子中学生殺害事件の「犯人」とされたことは知っていた。やって来た前川さんは「僕はやっていないんです。それで闘っています」と説明した。「だったら頑張らなあかん」と声をかけた。
当時の前川さんは、「今と違…
