WBAバンタム級王座に挑む比嘉大吾=2025年2月15日、東京都目黒区、佐藤祐生撮影

 「やり切った。悔いはない」

 そう語った日から約半年。燃え尽きたと思った闘志は、まだ消えていなかった。

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 プロボクシング元世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の比嘉大吾(29)=志成=は24日、東京・有明アリーナで世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=に挑戦する。ほんの3カ月前までは、現役を退くつもりだった。

 比嘉は昨年9月、世界ボクシング機構(WBO)同級王者の武居由樹(28)=大橋=に判定負けを喫し、試合後の会見で引退を示唆した。

 その後、地元沖縄に戻り、関係者に引退を報告して回った。

 ボクシングからは完全に離れたが、時間を持て余すなかで目を引いたのは、ボクシング映画「ロッキー」だった。

 「ロッキー2」まで見て、「これ以上見たら、またやりたくなる」。以降の続編は見るのを我慢した。

 状況が変わったのは、11月…

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