日本の食卓に欠かせない米。北海道、秋田、新潟といった米どころには、それぞれを代表するブランド米がある。千葉にもブランド米はあるが、名前はあまり知られていない。ただ、実は大都市・東京の胃袋を支えてきたある特色がある。
まず千葉の三大銘柄の一つで「幻の米」とうたわれる多古米の産地、多古町を訪ねた。千葉市から車を走らせ1時間、木の生い茂る道が突然開け、一面に収穫を終えた田んぼが広がった。
「全国的には知られていないですよね」。20~80代の生産者らでつくる「Rice Field Labo in Tako」の所長を務める林秀紀さん(38)が苦笑する。
希少ゆえの悩み
この日はメンバーが集まり、県の担当者を招いた研修会が開かれていた。米作りをしない冬にはこうして土壌分析や意見交換などを通して品質向上のための研究を重ねている。
多古米とは多古町で作るコシ…