災害はいつ、どこでも起こりうる。いざというとき、少しでも被害や混乱を防ぐことを目指し、大阪の企業が商品を開発、販売している。
収納や、家具の転倒防止に使う「突っ張り棒」のメーカー「平安伸銅工業」(大阪市西区)はこのほど、冷蔵庫専用の転倒防止突っ張り棒の販売を始めた。
平安伸銅工業によると、冷蔵庫の天板と天井との間のスペースに、冷蔵庫の左右の端から、2本の棒を縦にそれぞれセットして固定する。棒は、天井側にある横に渡した長方形のフレームでつながっている。揺れで外れにくく、天井を突き破りにくいという。
冷蔵庫の下に設置する床面用のストッパーもセットになっており、揺れでずれにくいようにした。阪神・淡路大震災などの揺れを想定した実験で機能を確認したといい、約2年をかけて開発・商品化した。
冷蔵庫の幅65センチ用は、平安伸銅工業の販売サイト(https://ec.heianshindo.co.jp/)で5478円(税込み)。
シールやラベルなどを製造している「大阪シーリング印刷」(大阪市天王寺区)は、「避難所設営シールセット」を販売している。
シールセットは、ごみ置き場やトイレなどの場所を示すものや、燃えるごみ、燃えないごみなどの分別を示すもの、服などに貼って名札として使うものなどが一つの箱に収められている。
2011年に起きた東日本大震災で、避難所の様子をテレビで見た社員が「シールで何かできることがあるのでは」と考え、商品化。地震や豪雨など様々な災害現場の避難所などで使われてきたという。
販売開始後も、英語、中国語、韓国語の表記を加えて多言語に対応するようにしたり、シールが示す内容を見やすく大きくしたりなどの改良を加えてきた。大阪シーリング印刷の担当者は「今後も現場で使いやすいよう、改良していきたい」としている。
ネット通販のアマゾンのサイトで1セット1万3750円(税込み)で購入できる。