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モンゴル抑留経験を語る山田秀三さん=2025年6月24日、富山県南砺市、島康彦撮影

 天皇、皇后両陛下が6日からモンゴルを訪れる。敗戦直後、同国に連行されて亡くなった旧日本兵ら日本人抑留者の慰霊碑に供花をする。強制労働に従事させられた生存者の一人、山田秀三さん(107)=富山県南砺市=はこの機会に「生きて帰れなかった仲間たちのことを知って欲しい」と話す。

 富山県高岡市。市内を一望できる高台の寺の一角に「ソ連強制抑留犠牲者慰霊之碑」が立つ。旧満州(現・中国東北部)などから旧ソ連に連行され、シベリアやモンゴルで亡くなった同県出身の日本人抑留者約500人の名前が刻まれている。

  • 【そもそも解説】モンゴル抑留とは 埋もれた歴史、犠牲者数なお諸説

 「本当にひどい目にあった。みんな寒さの中で死んでいった」。仲間たちを弔いたいと、山田さんが遺族らと戦後60年の2005年に建てたものだ。

帰国まで2年余、零下30度も

 山田さんは1941年に召集され、旧満州と旧ソ連の国境警備にあたった。終戦時は現在の中国・遼寧省にいた。1万3千人の仲間とともに武装放棄させられた後、行き先は告げられないまま汽車に乗せられた。

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日本人抑留者の作業風景=モンゴルの国立中央公文書館所蔵

 途中、中国東北部のハルビン…

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