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ドラマ「パーセント」の一場面。出演する伊藤万理華さん(左)と和合由依さん=NHK提供
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 テレビ局は多様性に向き合えているのか――。NHKのドラマ「パーセント」(総合、土曜夜10時)は、制作者自らの問いをきっかけに生まれた。連続ドラマで、障害のある俳優が出演者の30%を超えていることに注目が集まるが、数字ではなく、人と向き合った結果、生まれた作品だという。

 物語は「障害のある俳優を起用する」とのテレビ局の方針に悩む若手プロデューサー・未来(伊藤万理華さん)とドラマ出演に挑戦する車いすの高校生・ハル(和合由依さん)を軸に展開する。

 「車いすっていう、わかりやすい障害なのも絵的にいいかなって。ドラマなんだし」

 そんな発言をしていた未来は企画書に「障害にめげず」「障害を乗り越えて」との文言を並べた。

 だが、出演をオファーしたハルから「障害者が何かしら壁を感じる時、社会のほうに問題がある。それは障害者が乗り越えることじゃない」と断られて――。

数値目標よりも大切にした出会い

 このドラマは、プロデューサーを務めるNHK大阪放送局の南野彩子さん(28)の経験が根底にある。バリアフリーのバラエティーを掲げるEテレの「バリバラ」を担当していた頃から、「障害の有無にかかわらず、どんな人もドラマに出られたら」と考えていた。ドラマを担当する部署に移った南野さんは約3年前、ある作品でエキストラを集める担当になった。その時に届いたのが、車いすに乗る若い男性の履歴書だった。

 移動や着替え、バリアフリー…

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