第65回全日本吹奏楽コンクール中国大会(中国吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は24日、松江市の島根県民会館で高校と大学の両部門があり、計29団体が出場した。
審査の結果、全日本吹奏楽コンクールの中国代表には高校の部で出雲北陵高(島根)、明誠学院高(岡山)、岡山学芸館高が、大学の部で山口大が選ばれた。全国大会は高校が10月20日に宇都宮市で、大学が同26日に札幌市で開かれる。
結果は次の通り。(◎は中国代表)
高校の部
【金賞】おかやま山陽、就実(岡山)、◎出雲北陵(島根)、修道(広島)、石見智翠館(島根)、◎明誠学院(岡山)、比治山女子(広島)、◎岡山学芸館【銀賞】出雲商(島根)、如水館(広島)、米子北(鳥取)、松江商、出雲(島根)、広島翔洋、防府(山口)、防府西(山口)、米子西(鳥取)、広島国際学院【銅賞】岩国(山口)、鳥取東、岩国総合(山口)
大学の部
【金賞】広島、◎山口【銀賞】島根、広島修道、岡山、川崎医療福祉(岡山)【銅賞】宇部高専(山口)、島根県立
演奏レビューと高校生たちの思い
全日本への出場をかけた高校部門の舞台。ひと夏をかけて仕上げた高校生たちの音楽には、「うたいたい」という気持ちがあふれていた。
朝一番で、会場に強い印象を残したのは出雲商(島根)だった。
自由曲でイベールの「祝典序曲」を演奏。トロンボーンとホルンの音色に統一感があった。バンド全体も上品な響きを聴かせ、銀賞を受けた。
岩国(山口)は、自由曲「梁塵秘抄」で荘厳な演奏から、打楽器のおはやしのようなリズムへと雰囲気をがらりと変え、神聖な世界と俗の世界の表現のコントラストを際立たせた。
クラリネットやフルートの哀愁を帯びたメロディーや、フルートとバリトンサックスの表現力が光った。結果は銅賞だった。
如水館(広島)は、自由曲で「交響曲第1番『アークエンジェルズ』」の聖歌のようなメロディーを各パートが美しく歌い継いでいった。
ホルンの華麗な響きも印象的で、銀賞を得た。
銅賞の鳥取東の自由曲は、ベルギーで起きたテロ事件を題材にした「ブリュッセルレクイエム」だった。
主題をユーフォニアムやトロンボーンの和声進行が美しく彩っていた。
金賞のおかやま山陽は、課題曲Ⅲを遊び心をもって表現。はずむような軽快さをもって演奏したり、大人っぽい響きのワルツを奏でたり、曲を表情豊かに変化させ、客席を楽しませた。
自由曲「トリトン・エムファシス」では、フレーズの切れ目にふわっとした空気を残すような余韻のある響きが魅力的。特にユーフォニアムの豊かな音色が美しかった。
和音「一つ一つそろえた」
同じく金賞の就実(岡山)は、自由曲でオペラ「蝶々夫人」の世界を楽器だけで見事に表現した。部長でトランペットの口羽はなさん(3年)は「冷静かつ情熱的に、役者になりきって演奏できた」と言う。
迫力ある響きだけではなく、登場人物の心情に寄り添うように場面ごとに音色を変化させていた。
部員たちは吹奏楽用に編曲さ…