改正公益通報者保護法が4日、国会で成立した。制度に詳しい林尚美弁護士に改正内容のポイントを聞いた。
今回の改正法の大きな柱は、公益通報を理由に解雇や懲戒処分をした法人に刑罰を導入したことと、裁判における立証責任を事業者が負うことです。
ともに、長年議論されてきたものの、労使双方の意見がかみ合わず、決定が先送りされてきた課題でしたが、今回は一歩踏み込みました。
さらに、公益通報の担当者を置かず、消費者庁の勧告に従わなかった場合に刑罰を導入▽通報者捜しの禁止を法律に明文化▽保護対象となる通報者にフリーランスを追加――など、保護法の実効性を高めるために必要な内容が盛り込まれています。
前回(2020年)の法改正を議論する消費者庁の検討会に参加しましたが、当時、これらの刑罰の導入は経済界に反対されて実現しませんでした。その過程を目の当たりにしていたので、今回の刑罰導入は「一歩踏み込んだ」と感じています。
一方で、課題も数多く残され…