Smiley face
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二回裏、2死満塁のピンチをしのぎ、捕手中村悠平とタッチするヤクルト先発の奥川恭伸(左)=関田航撮影
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(28日、プロ野球 読売ジャイアンツ6-5東京ヤクルトスワローズ)

 笑顔があふれた奥川恭伸の開幕投手だった。6回を無失点。白星こそつかなかったが「大事なゲームで、しっかりゼロで終われたのは良かったと思います」と手応えを口にした。

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 立ち上がりからピンチの連続だった。

 一回はいきなり若林楽人、キャベッジに連打を浴びて無死二、三塁。しかし、続く吉川尚輝、岡本和真、ヘルナンデスを打ち取る。

 二回も1死満塁と走者を背負ったが、若林、キャベッジを外野フライに。ベンチへ戻る奥川は満面の笑みで守備陣とタッチを交わした。

 「もう開き直って投げました。点を取られても、アウトをしっかり取っていくことを考えました」。笑顔の理由を尋ねると「緊張感はあったんですけれど、試合前からマウンドに立てる喜びがあった。しんどい場面もあったが、楽しかった」。

 そんな気持ちになったのは、相次ぐけがでこれまで満足に1シーズンを送れたことがないからだ。「ああいう場面で投げられなかった期間が長かったので楽しかったですね」。6年目で初めて任された大役を振り返った。

 5点のリードをもらい勝ち投手の権利をもって降板したが、救援陣が打ち込まれて白星はつかなかった。それでも高津臣吾監督は言った。

 「最初はどうなるかと思ったがよく踏ん張った。よくゲームをつくった」

 奥川、吉村貢司郎、高橋奎二の3人のうち誰を開幕投手に指名するか悩んだ末の決断だっただけに「抜擢(ばってき)は本当に正解だったと思います」と話した。

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