第50期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は初リーグの19歳、福岡航太朗七段が開幕5連勝を果たし、暫定ながら単独首位に立った。次戦は5月15日。井山裕太王座との全勝対決に臨む。

開幕5連勝で単独首位に立った福岡航太朗七段。次戦、井山裕太王座との全勝対決に臨む=10日、大阪・北浜の関西棋院

 リーグ前半戦を4連勝で折り返した福岡は今月10日、後半戦の皮切りとなる余正麒八段戦を迎えた。前半戦は初戦で優勝候補の一角を占める許家元九段を破り勢いに乗った。第2戦から福岡同様、予選から勝ち上がったリーグ昇格組を次々に破って優勝戦線に躍り出た。だが、正念場はここからだ。

 後半戦の相手は余、井山、芝野虎丸十段、山下敬吾九段。ことに最初の3人はいずれも優勝候補で、事実、優勝戦線に残っている。さらに加速するのか、それとも失速するのか。試金石となる余戦が注目された。

 ふたを開ければ福岡の完勝だった。布石で先に陣地を稼ぎ、中盤は相手勢力圏に一石を投じて陣地を作らせない。余の強攻を空転させ、盤石の収束で寄り切った。私が囲碁担当になってリーグ戦は9期目になる。余の剛腕がこれほどまでに完封された碁は、ほかに記憶がない。

 余が2敗目を喫して、一歩後退。挑戦者レースの先頭グループは5勝0敗の福岡と4勝0敗の井山、2勝1敗の芝野の3人になった。

 「福岡さんには弱点がない…

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