浦和実―東海大札幌 八回表浦和実無死、佐々木は右越え三塁打を放ち、ヘルメットを落としながら二塁へ向かう=有元愛美子撮影

(25日、第97回選抜高校野球大会2回戦 浦和実8―2東海大札幌)

 1点をリードして迎えた八回。浦和実(埼玉)の石戸颯汰(3年)と東海大札幌(北海道)の高橋英汰(3年)の両投手の好投で、試合は膠着(こうちゃく)していた。

 「ここで塁に出ないと逆転負けする」。この回先頭の2番佐々木悠里選手(3年)は、3球目の内角甘めに入ったスライダーを振り抜いた。打球は右翼手の頭上を越えて三塁打に。これを皮切りにチームは4番三島陽之介選手(3年)、6番工藤蓮選手(3年)と安打を重ね、計5得点で一気に突き放した。

 佐々木選手は昨秋の埼玉県大会から2番を任されるも、関東大会は3試合でわずか2安打。力不足を痛感した。「自分の打球には力強さが足りない」。それから体作りを徹底し、自主練習では素振りを毎日欠かさなかった。この冬で体重は8キロ増え、「誰よりもバットを振ってきた」と自信もついた。

 自身の一打をきっかけに、目標の甲子園8強に大差でたどり着いた。「どんどん良くなってきている。聖光学院戦でもつながる打線を発揮してみせる」。興奮を抑えながら、次戦での活躍を誓った。

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