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初めての名人リーグを6勝2敗で打ち終えた福岡航太朗七段=3日、東京・市ケ谷の日本棋院

 第50期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は3日、福岡航太朗七段が山下敬吾九段に214手までで白番中押し勝ちし、通算6勝2敗で初参加のリーグ戦を打ち終えた。

 挑戦者レースは現在、井山裕太王座が6戦全勝で2敗の2位グループに星二つ差でリード。しかし、井山が残る2局で連敗すれば、福岡も井山との挑戦者決定プレーオフの可能性が残っている。すでに陥落が決定している山下は1勝6敗に。他棋戦を含めて極度の不振にあえいでいる。

 福岡の完勝だった。序盤に山下の仕掛けを受けて立ってリードを奪うと、手厚い碁形で山下の剛腕を封印し、反撃の隙を与えなかった。終局後、6勝2敗で残留を決めた今期リーグを振り返り、「自信になりましたが、(5勝1敗で迎えた)前局の(芝野)虎丸(十段)先生との碁はチャンスがあっただけに、負けたのは残念でした。もう少し(星一つ差で)井山先生を脅かしたかった」と悔しさをにじませた。来期の目標を問うと、「シード組で標的にされるのは間違いなく僕。残留を目標にがんばりたい」とあくまで謙虚だった。

 大詰めを迎えたリーグ戦で、挑戦圏内にいるのは6勝0敗の井山、6勝2敗の福岡、5勝2敗の許家元九段、4勝2敗の芝野。井山が残る2局のうち一つでも勝てば、優勝が決まる。連敗すれば、2敗組の序列最上位者とのプレーオフで挑戦権が争われる。

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