(21日、第97回選抜高校野球大会1回戦 横浜清陵2―10広島商)
「とにかく出塁、絶対に得点、みんなで三塁へ」。横浜清陵はそんな合言葉を胸に、神奈川の県立高校として71年ぶりに甲子園の土を踏んだ。
0―2で迎えた三回表。1死二塁の場面で主将の山本康太(3年)が打席に立った。「とにかく後ろにつなぐんだという思いでした」
変化球を右前安打で打ち返し、走者を三塁に進めた。続く長谷川悠人(3年)がスクイズを決め、チーム全員で初得点をつかみとった。
チームは6回に追加点を挙げ粘り強さを見せたものの、古豪の着実な試合運びに甲子園初勝利は阻まれた。
「3、4点差つくと厳しいですね。つらいです」。試合後、野原慎太郎監督は言葉少なに語った。
主将の山本も、積極的に攻める姿勢など「自分たちの課題が見えてきた」と振り返った。
「内野手のエラーが目立った。今まで通りにやっていたらできたプレーもあったと思う」と敗因を落ち着いて分析し、相手チームの冷静さは「見習う部分だと思う」と率直に語った。「この舞台を経験できたことは大きい」。次の夏を見据えて言った。