別学維持を求める署名提出を前に、報道陣のインタビューに答える女子校と男子校の生徒=2024年7月23日午後3時14分、さいたま市浦和区の県議会棟、杉原里美撮影

 2023年8月、埼玉県の第三者機関である男女共同参画苦情処理委員が、浦和や浦和第一女子など12校ある県立の男女別高校の共学化を求める勧告を出した。県教委は8月末までに、苦情処理委員への報告をまとめる。共学化か、別学維持か――。報告を前に、共学化をめぐる議論を追った。

 「男らしさ」や「女らしさ」にとらわれない「ジェンダー平等」につながるのは、共学か男女別学か――。県立の別学高校の共学化に賛成する人と反対する人とでは、見方が大きく異なっている。

 「クラスの自己紹介で『男子校だったから来ました』と自虐的に言うと、他の生徒たちが『うそつけー』と笑った」

 共学化に賛成する高校教諭の嶋田和彦さん(58)は、自身が県内の県立男子校に入学した時のことをこう語る。「自分も含め、男子校だからではなく、学力で選んだ生徒が大半だった。それは今も同じだと思う」

 勤務している共学校では、生徒会長と副会長2人の全員が女子生徒で、「女子がリーダーになれないというわけではない」。男子と女子の体育は、別々に授業をしている。「共学校にも男子だけ、女子だけの空間は存在する。同性だけで盛り上がることもできる」と話す。

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