日本銀行の中川順子審議委員は11日、秋田市で講演し、経済・物価が見通しに沿って進めば「金融緩和の度合いを調整していくことになる」と述べ、今後の追加利上げに前向きな姿勢を示した。一方で、金融市場は今も不安定な状況にあるとし、影響を丁寧にみていく考えも強調した。
資産運用会社出身の中川氏は講演で、日銀が7月に追加利上げに動いた後も、物価を考慮した実質金利は「極めて低い水準にある」と指摘。物価上昇率2%の実現に向け、経済や物価が見通し通りならば、引き続き利上げしていく考えを示した。また、輸入物価の上昇や賃上げの加速によって「賃金や物価が『物価安定の目標』を超えて上昇するリスクには注意が必要だ」とも述べた。
一方、7月の利上げ後の金融市場の混乱にも触れ、「金融市場の変化が経済・物価の見通しに及ぼす影響について、これまでと同様に丁寧に評価を行い、判断をしていく必要がある」と語った。
講演後の記者会見では、来週…
