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写真・図版
主な川船と関連用具=千葉県教育委員会提供

 【千葉】国の文化審議会は24日、県所有の「利根川中下流域の川船及び関連用具」を国登録有形民俗文化財に登録するよう文部科学相に答申した。登録されれば、県内初の国登録有形民俗文化財となる。

 県教育委員会によると、関東平野を流れる利根川の中下流域において、水運や生活に使われた川船と、船の操作や修理・製造などに使われた用具の計656点からなる。現在は大部分が県立中央博物館大利根分館(香取市、休館中)に保管されている。

 近代に鉄道の敷設や舗装道路の整備が進み、陸上交通が発達するまでは、河川を利用した舟運が人や物資の輸送に重要な役割を果たした。利根川は近世以降、北関東一円と江戸、銚子を結ぶ水上交通の大動脈となり、特に中下流地域には多くの河岸が設けられ、川船が活躍した。利根川の舟運や陸上輸送が発達する以前の交通・運輸のあり方を具体的に今に伝える資料群として貴重だと評価された。

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