大阪・関西万博の会場がある夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)と大阪・兵庫を船で結ぶ水上アクセスをめぐり、大阪府の吉村洋文知事は17日、船を着ける桟橋の利用料減免と利用時間の延長を、府と大阪市から日本国際博覧会協会に要望したと明かした。利用料金を抑えつつ利便性を高め、低迷する乗船率を上げる狙いがあるという。
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協会や府によると、船が接岸する夢洲の桟橋は協会が委託した事業者が維持・管理しており、利用料金や利用時間は協会の判断で決定できる。堺市も府市と同様の要望を協会へしているという。
現在、定期便では桟橋と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン近くのユニバーサルシティポート(同市此花区)や、中之島ノースゲート(同市福島区)、堺旧港(堺市堺区)、淡路交流の翼港(兵庫県淡路市)を結んでいる。乗船料は大人1人で片道2千~3千円台だ。
価格、運航時間ネック 乗船率1割
また、桟橋の利用時間は現在午前9時~午後9時となっており、夜のイベント参加後は乗船が間に合わない場合もある。
価格の高さや閉場前に運航が終わることがネックとなって、乗船率は約1割と伸び悩んでおり、不定期便も合わせて1日平均約14便にとどまっているという。
これまで府や協会には、運航事業者や利用者から「桟橋の利用料を下げてくれれば運賃を下げられる」「(夜の)ドローンショーを最後まで見たい」といった声が寄せられてきたという。
事業者負担減で値下げに期待
府市は、桟橋の利用料金が減免されれば事業者の負担が減り、運賃の値下げが期待出来ると見込む。また、利用時間の延長によって利用者の利便性が向上するとしている。
吉村知事はこの日、報道陣の取材に「水上交通は非常に可能性の高い分野。(協会に)出来るだけ早く要望を実現してもらいたい」と述べた。