山形新幹線の最新型車両「E8系」の単独運転が1日、再開した。6月17日の故障発生から1カ月半ぶりに乗り換えなしで東京―山形間を往復できるようになり、利用客からは歓迎の声が上がった。
この日午前9時20分、東京発のE8系編成つばさ121号がJR山形駅に到着した。始発から乗ってきた会社員男性(61)は「乗り換えがないのはやっぱり便利で楽」。
山形で仕事をするため、月に数回、山形新幹線を利用するが、6月17日の故障発生後は、福島駅で乗り換えをしなければならなかった。男性は「トラブルはしょうがないが、こういうことはあまりないようにしてもらえれば」と話した。
E8系編成は、半導体部品と制御基板の組み合わせの不具合で、6月に全11編成のうち5編成の故障が相次いで判明。JR東日本は、原因を究明し安全が確認されるまで、E8系編成の運転を取りやめていた。7月末まで、上下1384本が運休し、約34万人が影響を受けた。
2日から故障前の通常ダイヤで運行する。ただ、8~17日のお盆期間は、一連のトラブルで車両が確保できず、臨時列車は本来の本数より73本少ない58本での運行となり、混雑が見込まれる。
JR東や県は、今回のトラブルで観光業界を中心に受けた県内経済へのダメージを補うため、9~11月、宿泊割引やPR強化などの観光誘客キャンペーンを実施する。吉村美栄子知事は「マイナスの影響をしっかりカバーできるように取り組んでいきたい」としている。