「生理は男性にはない経験。体験してみよう」
昨年11月、正則学園高校(東京都千代田区)で開かれた「文化部祭」で、教室の壁に貼られた文章だ。男子生徒が生理用ナプキンを体験したリポートで、他にも「ピルの効果」や「コンドームの避妊率」を全校生徒にたずねたアンケート結果、性に関するクイズが並んでいた。
展示のテーマは、「男子高校生が考える異性の健康課題とこれからの性教育」。高校2年生の生徒会執行部らが企画した。
男子校の性教育
性に関する授業を受けて、性教育に向き合った正則学園高校の生徒会執行部。学ぶうちに、生徒たちの気持ちにさまざまな変化がでてきました。その姿に迫った連載の第1回です。
きっかけは、昨年8月、出版社の宝島社が、産婦人科医の吉形玲美さんを招いて同校で性教育の授業をしたことだった。生徒会執行部のメンバーらが参加し、年齢に応じた女性の体の変化や、月経困難症、更年期症状といった健康問題などが説明された。
「なんでやるんだろう」 感じた戸惑い
授業で学んだ内容を深掘りし、文化部祭で発表したらどうか。授業を依頼した本川太郎教諭(47)は、そう生徒会執行部に提案した。本川教諭は「大人が近くにいる状態で性について学べるのは、高校が最後だと思う。性交に関することや女性の体の変化など、異性と関わる上では知る必要がある。教員が教えるより、生徒が発信した方が他の生徒たちも耳を傾けやすいと思った」と言う。
生徒会執行部の一人、アキト…