事故が起きた横断歩道のかたわらには、初公判の日、花束が置かれていた=2025年9月8日午前10時21分、福島県郡山市のJR郡山駅西口

 福島県郡山市のJR郡山駅前で1月、大阪府の予備校生の女性が車にはねられて死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた池田怜平被告(35)の裁判員裁判の2日目が9日、福島地裁郡山支部(下山洋司裁判長)であった。被告人質問で池田被告は、記憶が途切れ途切れのまま車を運転し、前方が「ぼーっと」しか見えない状態のまま事故現場に突っ込んだと、話した。

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 事故は1月22日午前6時32分ごろに発生。検察側は8日の初公判で、被告の軽乗用車がその1分前、交差点を西から南に右折する際、南から東に右折しようとするタクシーと出合い頭にぶつかりそうになって停車したと指摘。その後、対向車線を一時逆走しながら直線道路を南下して3カ所の信号機が赤なのに停車せず、時速約70キロまで加速したことを明らかにしていた。

 被告はタクシーに接近した状況について「運転中に眠気に襲われ、目をこすりしばたたかせていると突然目の前が(車のライトで)明るくなりクラクションの音がした。無我夢中でハンドルを切った」と語った。

 被告の説明では、その後、直線道路に入った後、「何でぶつかりそうになったのだろう」と考えながら運転したが再び眠くなり、視界が「ぼーっとした」。さらに「青い光が見えたので」青信号と思って進んだ。車内は暑くエアコンのダイヤルに目を向けて触っていたが、前方に目を戻すと横断歩道を渡っている女性と赤信号が見えた。急いでハンドルを切り、ブレーキを踏んだが間に合わなかったという。

 検察側によると、被告は同僚…

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