韓国大統領選への立候補を表明する韓悳洙(ハンドクス)前首相=2025年5月2日、ソウル、貝瀬秋彦撮影

 韓国の韓悳洙(ハンドクス)前首相(75)が2日、6月3日の大統領選への立候補を表明した。世論調査でトップを走る進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)前代表に対抗するには保守系候補の一本化が不可欠とみられ、今月3日に選出される与党・国民の力の公認候補との調整が焦点になる。

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 韓氏は記者会見で、分権などを進めるための憲法改正や通商問題などに取り組むと述べ、「社会のあらゆる分野で国民統合が成し遂げられるよう渾身(こんしん)の力を尽くす」と訴えた。改憲は任期2年目までに終え、3年目に総選挙と大統領選を実施し、自らは退くとした。

 経済官僚出身の韓氏は進歩系の盧武鉉(ノムヒョン)政権で首相を務め、保守系の李明博(イミョンバク)政権では駐米大使、保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)政権で再び首相を務めた。その経歴から、より幅広い支持が集められる候補として保守層から立候補を求める声が上がっていた。韓氏は立候補に向けて1日に首相を辞任した。

 国民の力は3日に公認候補を決めるが、決選に残っている2人の候補は韓氏との一本化に関して温度差がある。金文洙(キムムンス)前雇用労働相が積極的な一方で、韓東勲(ハンドンフン)前代表は現時点では慎重な姿勢を見せており、与党の候補がどちらになるかも大統領選の構図に影響を与えそうだ。

 世論調査でトップを走る最大…

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