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鉄瓶 Exotic Ketlle=鈴木盛久工房提供
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 岩手を代表する伝統工芸品、南部鉄器を作る盛岡市の「鈴木盛久工房」が今年、創業400年を迎えた。伝統と現代の感覚をあわせ持つ作品を楽しんでもらおうと、26日から東京の伊勢丹新宿店で展示会形式の催事を開く。

 鈴木家は1625(寛永2)年に南部藩の御用鋳物師に指名された。伝統的な技法を受け継ぎ、近代では茶釜や鉄瓶などを手掛ける。

 今回の催事のテーマは「Iron Age」。世代を超えて受け継がれてきた鉄の魅力を、16代当主の鈴木成朗さん(52)の作品を中心に紹介し、販売する。

 鈴木さんは東京芸大の鋳金専攻を卒業後、アパレル会社のグラフィックデザイナーとして働き、鉄器職人の道に進んだ。鉄瓶の文様に、外国製の香水の瓶の模様からヒントを得て施すなど、鋳物づくりの制約の中での遊び心を大切にする。

 今回の催事について、鈴木さんは「400年の老舗というと堅いイメージがあると思うが、先祖の感覚を大切に現代のポップな感覚で作っているので、楽しく見てもらえれば」と語る。

 26日~4月1日、伊勢丹新宿店本館5階で開かれる。鉄瓶のほかにも、鈴木家で飼われていたネコ「茶味」の置物や栓抜きなどの鉄小物も並べられる。10月には盛岡市の百貨店「カワトク」でも開かれる。

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