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労働基準法改正などについて議論する労働政策審議会の労働条件分科会=2025年9月4日、東京・霞が関の厚生労働省、宮川純一撮影

 労働時間規制は緩和か、強化か――。労働基準法の改正などを議論している厚生労働省の審議会で4日、事前に決めた時間だけ働いたとみなして一定の賃金を払う「裁量労働制」について、労使が意見を激しく戦わせた。使用者側は日本の国際競争力を高める観点などから拡大を求める一方、労働者側は過労死などを防ぐ点から拡大に反対を主張した。

 労働時間の規制をめぐり、経済界では労働生産性を上げて国際競争力を高めるべきだとの考えや深刻化する人手不足も背景に、裁量労働制などの拡大を求める声が広がる。7月の参院選で自民は「働きたい改革の推進」と公約に記し、公明党も「本人の希望に応じて、働きたい時にもう少し働ける社会へ」とするなど、労働時間を拡大すべきだという議論も起こる。

 この日の審議会で、経団連の鈴木重也・労働法制本部長は「最近、経営者から日本の国力低下を憂える発言を聞く。国際競争力を高めるために国の政策を総動員する必要がある。裁量労働制の対象業務を拡大する検討を進めてほしい」と話した。

 トヨタ自動車の鬼村洋平・人…

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