能登半島を襲った豪雨から21日で1カ月となる。元日の能登半島地震に続く「二重被災」の現場では、地震の経験をふまえ、行政だけに頼らず被災者自らが運営する民間のボランティアセンター(ボラセン)が動き出している。

東陽中学校の体育館にオープンした「まちなじボラセン」に集まるボランティアたち=2024年10月20日午前9時41分、石川県輪島市町野町、金居達朗撮影

 豪雨で中心部が広範囲に浸水した石川県輪島市町野町。市立東陽中学校の体育館に20日午前9時、長靴姿の人たちが続々と集まってきた。豪雨から1週間後の9月28日に開設された「まちなじボラセン」だ。

 集まった人たちは、グループに分かれてスコップや一輪車を持ち、泥のかき出しなどが必要な場所に出発していく。

 歩いてすぐの場所にある畑では、流れ着いてきたがれきや土を20人ほどで運び出した。

高齢女性の自宅の畑に流れ込んだ土砂をかき出すボランティアたち=2024年10月20日午前10時56分、石川県輪島市町野町、金居達朗撮影

 千葉県野田市から父親と一緒にきた中学2年の有賀葉音さん(13)は「くずれている建物を実際に見て、大変だなぁと思った。元通りになるように手伝いたい」。

 畑の持ち主の瀬野千草(ちぐさ)さん(80)は、地震で家が崩れ、仮設住宅から畑に通うのを楽しみにしていた。そんな最中の水害で、ブルーベリーやサツマイモ、芽が出始めていたタマネギなど、すべてダメになってしまった。「1人じゃとてもできない。助かりますよ、本当に」

 まちなじボラセンが対象とす…

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