米麴(こめこうじ)や地みその販売を手がける「いづやこうじ店」(岐阜県郡上市)。
店では紅麴を扱っていないが、3月末に小林製薬(大阪市)の紅麴原料を使用したサプリメントの問題が発覚して以降、客から「商品は安全なの?」と問い合わせが相次いだ。
店の4代目、岩城純一郎さん(55)は「米麴が赤く色づいたものが『紅麴』だと誤解されているようだ。『こうじ』という言葉の響きが同じなので、心配になっているのだろう」と困惑する。
同じく紅麴は使っておらず米麴やみそ、もろみなどを扱う「大阪屋こうじ店」(京都市)では、3月以降、誤解を防ぐためHP上で「紅麴と当店が販売している黄麴とは全く別物です。製造も全く違うものです」という記載を始めた。同店にも、客から安全性を尋ねるメールが届いたという。
こうしたことを受けて10日、「勘違い」を防ごうと、消費者庁、厚生労働省、農林水産省の3省庁は連携して紅麴に関するQ&Aを作り、HPにアップした。
しょうゆやみそ、日本酒など、日本の伝統的な発酵食品に使われる「麹」は、「紅麹」と名前が似ているものの、「異なる種類の生物(カビ)を利用して作られたものであり、違うものです」などと解説。現時点で回収命令の対象は小林製薬の3製品(「紅麹コレステヘルプ」「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」)のみであることも記載し、「事実関係を整理した」とする。
今後も原因究明などを踏まえ、内容をアップデートしていく予定という。
日本酒やみそ、しょうゆ造り…