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Jフロントリテイリング社長 小野圭一(おの・けいいち)1975年、神戸市生まれ。関西学院大卒業後、98年大丸(現大丸松坂屋百貨店)入社。インバウンド担当、経営戦略統括部長などを経て2024年に48歳で社長就任=東京都港区

 大手百貨店の業績を押し上げてきたインバウンド(訪日外国人)による買い物が、今年春ごろから勢いにブレーキがかかってきています。円高が進んだことなどが背景にあります。大丸松坂屋百貨店などを運営するJフロントリテイリング小野圭一社長は、為替の影響を受けない戦略について、運営する渋谷PARCO(パルコ)に希望を見いだしています。

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Jフロントリテイリングが東京・銀座で運営する商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」。店内は高級ブランドのショップが並ぶ=2025年6月30日、東京都中央区、山口博敬撮影

 ――今年3月以降、外国人客単価が前年同月より3割減っています。業績への影響は。

 「売上高に大きな影響を与えているのは確かです。二つの理由があると考えています。一つは、2024年6~7月に一時、1ドル=160円まで進んだ円安が、足元では140円台半ばまで戻っており、日本で買い物をするお手頃感が希薄になったこと。もう一つは、有名な宝飾品ブランドが、昨夏ごろから相次いで値上げをしたので、直前の『駆け込み』で日本に買い物客が殺到しました。その反動で、今年は高級ブランドが売れていません。ただ、昨年が『異常値』だったと考えています」

 ――為替の動きが気になりま…

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