大手百貨店の業績を押し上げてきたインバウンド(訪日外国人)による買い物が、今年春ごろから勢いにブレーキがかかってきています。円高が進んだことなどが背景にあります。大丸松坂屋百貨店などを運営するJフロントリテイリング小野圭一社長は、為替の影響を受けない戦略について、運営する渋谷PARCO(パルコ)に希望を見いだしています。
――今年3月以降、外国人客単価が前年同月より3割減っています。業績への影響は。
「売上高に大きな影響を与えているのは確かです。二つの理由があると考えています。一つは、2024年6~7月に一時、1ドル=160円まで進んだ円安が、足元では140円台半ばまで戻っており、日本で買い物をするお手頃感が希薄になったこと。もう一つは、有名な宝飾品ブランドが、昨夏ごろから相次いで値上げをしたので、直前の『駆け込み』で日本に買い物客が殺到しました。その反動で、今年は高級ブランドが売れていません。ただ、昨年が『異常値』だったと考えています」
――為替の動きが気になりま…