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優勝を決めて喜ぶ敦賀気比の選手たち=2025年7月26日、セーレン、鎌内勇樹撮影
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(26日、第107回全国高校野球選手権福井大会決勝 敦賀気比7―3福井工大福井)

 敦賀気比の右打者2人が、福井工大福井が擁する左腕の二枚看板を攻略した。

 福井工大福井の先発は主戦左腕の三浦幌史投手(3年)。敦賀気比は一回の好機を生かせず、二回に1点を先取された。二回2死満塁の好機も無得点に終わり、一時は嫌なムードが流れかけた。

 しかし三回2死二塁から右打者の5番小西大心選手(同)がベルト付近に来た球を思い切って振り抜き、中前適時打を放ち同点に追いついた。小西選手は今春の選抜高校野球大会でも2試合で計4打点と勝負強さが持ち味だ。塁上でガッツポーズし、「いけるぞ!」と仲間を鼓舞した。

 勢いに乗り、さらに2死一、二塁から7番の右打者、上加世田琉己選手(同)が2点適時二塁打を放って勝ち越した。

 福井工大福井は四回から2番手左腕の中沢虹太投手(同)が継投したが、敦賀気比は五回にも小西選手と上加世田選手らの活躍で2点を加え、七回にも2人の安打などで得点した。小西選手は計3安打、上加世田選手は計4安打してダイヤモンドを駆け回った。4番で右打者の小林拓斗捕手(同)は「右打者が鍵になると考えていた。自分はダメだったけれど、2人がきっちりと仕事をしてくれた」と感謝した。

 投手陣は、エース左腕の鶴田啓人投手(2年)が先発。続いて右腕の森田勝生投手(3年)、右腕の岡部飛雄馬主将(同)がつなぎ、九回は最速150キロ右腕の山本竜毅投手(同)が締めた。東哲平監督は「厳しい暑さでギリギリの戦いの中で、みんながしっかりと成果を出した。本当に頼もしい。最高です」と選手たちをたたえた。

 福井工大福井は二回に三浦投手の適時内野安打で1点を先取。七回は江崎歩主将(同)の犠飛で1点をかえし、九回も4番・植田壱生捕手(同)と知花阿生琉選手(同)の連打などで1点をかえす粘りを見せた。知花選手は「割り切って、思い切って打てた」と胸を張った。

 江崎主将は「甲子園がかかる決勝で、みんな硬くなった。(七回の犠飛は)監督に『好きなようにやっていいよ』と言われて楽になり、最低限の仕事はできた」。試合終了後、敦賀気比の岡部主将と抱き合い、「絶対、甲子園で優勝しろ」と声を掛けた。岡部主将も「お前の分も頑張るぞ」と応えた。

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