伝統的な踊りをを披露する舞踊団=2025年5月1日午後5時39分、大阪市此花区、仙道洸撮影

 大阪・関西万博で1日、バルカン半島にある北マケドニアのナショナルデーがあった。意外にも縁が深い日本との歴史が紹介され、伝統的な舞踊や演奏が披露された。

 ナショナルデーの式典で、同国代表としてあいさつした外務貿易大臣のティムチョ・ムツンスキさんは、「私たちが万博に参加することは特別な意味がある」と語った。

 マザー・テレサの出生地としても知られる首都・スコピエは、1963年にあった大震災で壊滅的な被害を受けた。その再建を担ったのが、東京都庁舎や広島平和記念資料館などを設計し、70年の大阪万博にも深く関わった建築家の丹下健三氏だったという。

 「決して忘れることのない歴史の瞬間」とムツンスキ氏は振り返り、丹下氏について「スコピエの廃虚からの再建を導き、その支援が両国の強い友情の基盤となり、今日まで続いている」とたたえた。

 その後は民族衣装に身を包んだ現地の舞踊団や演奏団が「オロ」と呼ばれるアップテンポの舞踊を披露。会場は大きな盛り上がりを見せた。

 同国に関心があり、東京都荒川区からこの日のために足を運んだ男子中学生と50代男性の親子は、「足のリズムが素晴らしかった。観客を飽きさせない踊りだった」と興奮気味に話した。

 同国の展示は、共同館「コモンズA」内にある。パネルやスクリーンでは、地震被害や、丹下氏が再建を担うことになった経緯について紹介している。今も残る丹下氏が設計したスコピエの建造物の模型を見ることもできる。

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