総授業時間が増えるのに給与が上がらないのは「実質賃下げ」だとして、北星学園大学(札幌市)の非常勤講師らでつくる労働組合が撤回を求めていた労使交渉が1日、2026年度分について妥結した。労組の要求額を下回ることのない「満額回答」で、実質賃下げを撤回した形だ。
大学側は労組への回答書で、「道内私立大学との比較結果などを総合的に再検討した結果」だと説明した。これを受けて札幌地域労組大学非常勤講師ユニオン(森若裕子代表)は、大学側に交渉妥結を伝えた。
自身も北星学園大学などで非常勤講師を務める森若代表は「大学側の対応を評価する。我々も大学がもっと良くなるように努めたい」と話す。
大学側は当初、今年4月から授業時間を従来の90分(半期15回)から100分(半期14回)に変更するが、授業の回数分を支払う給与算定方式を変えず、授業1回分の単価(9700円~1万6800円)も据え置くと通知した。
これが実質賃下げにあたると労組側が反発し、労使交渉に入った。大学側は同月、25年度分については前年度と同額の賃金を支払うことで合意した。だがその場合、時間あたりの単価が減る「実質賃下げ」状態は変わらないため、26年度分についての交渉が続いていた。