北朝鮮

 韓国軍合同参謀本部は5日、同日午前7時半ごろ、北朝鮮の黄海北道沙里院(サリウォン)付近から、日本海に向けて数発の短距離弾道ミサイルが発射されたと発表した。北朝鮮は10月31日、新型の可能性がある大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したばかり。5日の米大統領選を前に軍事挑発を強めている。

 日本の防衛省によると、発射された弾道ミサイルのうち少なくとも7発は最高高度約100キロで約400キロ飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したとみられるという。

 韓国軍関係者や専門家は、飛距離などから韓国全域を射程とする超大型放射砲(ロケット砲)と推定している。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、ミサイルの発射直前に、金正恩(キムジョンウン)総書記の妹の金与正(キムヨジョン)・朝鮮労働党副部長が日米韓が3日に行った合同の空中訓練を非難する談話を配信。金副部長は談話で「自衛的核抑止力強化路線は最も正確な選択だ」と述べ、核・ミサイル開発を正当化した。

 5日の米大統領選を前に、朝鮮半島情勢の緊張を高め、次期政権の注目を集める狙いがあるとの見方もある。林芳正官房長官は5日の会見で「一連の北朝鮮の行動は断じて容認できない」と非難した。北京の大使館ルートを通して厳重に抗議した、と明らかにした。

 一方、ロシアのルデンコ外務次官は5日、北朝鮮による10月31日のICBMの発射について、「米国と同盟国が朝鮮半島周辺で行っている挑発行為への対応だ」と主張し、「自衛力を確保するための正当な措置だ」と擁護した。(ソウル=太田成美)

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