北朝鮮の木炭車=韓国・東亜大学の姜東完教授提供。北朝鮮では核ミサイル開発が続く一方、国内のインフラはほとんど改善されない状況が続いている

 北朝鮮がロシアに派兵しました。約20年にわたり、北朝鮮に有機農法や山林復元などで協力してきたドイツのハンス・ザイデル財団韓国事務所のベルンハルト・ゼリガー代表は、「北朝鮮兵に多数の死傷者が出れば、北朝鮮は非常に困難な状況に陥る」と語ります。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ270人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――北朝鮮は15日、南北連結道路の一部を爆破しました。

 爆破を攻撃的な行動だと感じた人もいるでしょうが、北朝鮮は韓国による影響を本当に恐れています。だから、「もう統一したくない」と主張しているのです。

 「お前たちは私たちの敵だ」という主張は、1970年代にドイツで起きたことを連想させます。当時の東ドイツは、経済的に西ドイツを追い抜けず、政治的にも自分たちに魅力がないことを理解しました。人々が国から逃げ出したからです。このため、東ドイツは「私たちは今や二つの国家だ」と主張したのです。

 北朝鮮も同じことを言っています。北朝鮮の若者たちは韓国の音楽、髪形、言葉づかいなどに非常にひかれています。北朝鮮はこの動きを阻止するために、すべての連結路を分離しようとするのです。

 (南北軍事境界線付近では)…

共有
Exit mobile version