北朝鮮が核不拡散条約(NPT)脱退を表明した翌月の1993年4月、訪米した宮沢喜一首相は北朝鮮の核兵器開発を「直接の脅威」として、米政府高官らと突っ込んだやりとりをしていた。外務省が26日に公開した外交記録からわかった。

 北朝鮮は、国際原子力機関(IAEA)の査察で核兵器開発疑惑が解消されない中、93年3月にNPT脱退を表明。国際的な課題になっていた。4月16日午後、宮沢首相はホワイトハウスでクリントン大統領と会談した際、韓国と協力して対応する重要性を確認しつつ、「中国をして北朝鮮を説得するしかない」と外交努力を訴えた。

1993年4月、ワシントンのホワイトハウスで開かれた昼食会でクリントン米大統領(右から2人目)と話す宮沢喜一首相(左から4人目)=竹内行夫・元外務事務次官提供

 会談後に宿舎のホテルへ戻り、アスピン国防長官らの表敬を受けた。米軍制服組トップのパウエル統合参謀本部議長を含む異例の顔ぶれだ。

宮沢首相の突っ込んだ質問

 その時のやり取りが「極秘 …

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