北海道、関東、熊本。それぞれ800キロほども離れた3地域に限って生える水草がある。
絶滅危惧種になっている「キタミソウ」だ。その特殊な分布の謎の解明に、熊本大学などのチームが挑んでいる。鍵は染色体だ。
キタミソウはゴマノハグサ科の水草で、高さは5センチほど、花は数ミリの大きさだ。日本では現在、1種が3地域の水辺だけで見つかるとされている。
なぜ、こんな不思議な分布なのか。
熊本大学生物環境農学国際研究センターの沢進一郎センター長らは、知られている全ての産地のキタミソウについて、染色体を調べた。
すると、ある特徴が見つかっ…