Smiley face
写真・図版
ヒグマ警報について話す鈴木直道・北海道知事=2025年7月17日午後3時37分、北海道庁、丸石伸一撮影

 福島町に道内初の「ヒグマ警報」を出した北海道の鈴木直道知事は17日の定例会見で、改めて住民に「十分な警戒」を呼びかけた。捕獲による安全確保を急ぐとともに、警報をめぐる課題についても今後検証する考えを示した。

  • 人を殺したヒグマ、住宅地で撃てるか 訓練重ねても「慎重に見極め」

 ヒグマ警報は2022年、被害防止を目的に道がつくった制度。市街地付近で人身被害が発生したときに出す「警報」のほか、ヒグマが頻繁に出没したときに出す「注意報」と、広く注意を促す「注意喚起」の3段階がある。

 道は警報発令とともに、福島町に職員ら5人を派遣し、町や道警と連携して対策にあたる。

 それまで周辺では、警報の「手前」の注意報は出ていなかった。発令の基準を定めているものの「頻繁に出没」という抽象的な表現にとどまるなど運用面での課題がある。

 鈴木知事は「町と(ヒグマの)出没情報などを共有しながら対応はしてきたが、大変残念な結果となってしまった」とし、「有効に機能するために不断の見直しをしなければいけない」との考えを示した。町とも今後「検証、課題の整理を行う必要がある」と述べた。

 道は18日、各市町村に警報などの発令基準を周知する。鈴木知事は「市町村からも意見をいただき、専門家の話も聞きながら見直しを行いたい」と説明した。

共有