北海道文教大付属高校で行われたヤングケアラーの出前講座=2024年5月17日、恵庭市

 大人に代わって家族の世話や家事を担う「ヤングケアラー」を支援する取り組みが、道内で広がっている。道内には当事者が数千人規模でいるとみられ、支援者らは地域ごとに拠点を設け、気軽に相談できる体制をめざしている。

 8月下旬、北海道江別市の市総合社会福祉センター小会議室で行われた研修会。主婦や会社員ら約10人が、ヤングケアラーを取り巻く状況や支援策について話を聞いた。

 主催したのは、ヤングケアラーなどの支援団体「北海道ケアラーズ」(江別市)。2月に全道組織として発足した。興味がある人たちに支援活動に参加してもらえるよう、道内の主要都市で研修会を開く「キャラバン」を実施中だ。

 講師は、北海道ケアラーズの代表理事を務める社会福祉士の加藤高一郎さん(49)。加藤さんは、当事者への啓発のため、学校への出前講座にも力を注ぐ。

 「『ヤングケアラー』って知ってる?」「自分がヤングケアラーでなくても、家族の誰かが急に事故にあってお世話をしなければならなくなるかもしれない。自分ごととして想像してみてほしい」

記事後半では高校から32年間、病気の母の介護を続けた女性の経験を紹介しています。

 5月中旬の北海道文教大付属…

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