北海道新幹線の札幌市までの延伸開業が2038年度末になりそうだという新たな見通しを、国が近く明らかにする方向になった。政府内で最終調整しており、工事の進み具合によっては、開業がさらに遅れる可能性があることも示す考えだ。
新函館北斗―札幌間の延伸をめぐっては、トンネル掘削で巨大な岩にぶつかるなどして工事が難航していた。建設主体で国土交通省所管の独立行政法人「鉄道・運輸機構」は昨年5月、目標としていた「30年度末」の開業が困難だとの見通しを国土交通省に報告していた。
国交省は有識者会議で新たな開業時期の目標を検討。土木工事や設備の整備などであらゆる工期短縮策を講じても、38年度末ごろまでかかると判断したもようだ。一部のトンネル工区では直近でも、新たに確認された岩で掘削作業が滞ったり、地質不良が見つかったりしている。今後も予測できないリスクが生じうるため、開業時期がさらに遅れる可能性もある。