今年3月に販売を終了した菓子メーカーの明治が製造していたキャンディー「チェルシー」が装いを変えて道南食品(函館市)から限定販売され、北海道土産として人気となっている。想定以上の売れ行きで増産を急いでいるが、しばらくは品薄の状況が続きそうという。
道南食品は明治のグループ会社で、2016年には明治から「サイコロキャラメル」を引き継ぎ、北海道土産として復活させた実績を持つ。
元々のチェルシーは1971年に発売されたハードキャンディーで50年余りの歴史があった。
道南食品によると、ハードキャンディーの市場が縮小して製造を中止するにあたり、明治から「何とかチェルシーのブランドだけでも残せないか」と打診があり、「新しいチェルシー」の開発に着手したという。
めざしたのは「生食感のチェルシー」。キャラメルとチョコレートを練り合わせ、道産の発酵バターと生クリームを使用した特別仕立てにしたうえで、しっかりチェルシーならではのバタースカッチ味が楽しめるようにした。
製法がまったく変わるため、「チェルシーのバタースカッチ味にするのが大変だった」と同社。だが、苦労のかいあって、できあがった「北海道 生食感チェルシーバタースカッチ味」はその名の通り生食感の軟らかいチェルシーとなった。
9月から北海道土産として、北海道の土産物店や土産品コーナーなど限定で売り出すと生産が追いつかないほどの人気となった。
希望小売価格は税込み864円(90グラム)で、直売やネット販売はしておらず、同社には「どこで買えるのか」といった問い合わせが今も寄せられるという。
本格的な冬を迎えた新千歳空港の土産物店の中には、「1人3個まで」「完売」といった表示を出しているところもあり潤沢とまではいえなかったが、店によっては入手可能な日もある。道南食品の広報担当者は「北海道に来ていただいて、出会っていただいて、ご購入いただければ」と話している。