北海道十勝地方の内陸のまち・陸別町(人口約2200人)が、今季も独自の「寒さランキング」で首位となり、5年連続の日本一を死守した。「日本一寒い町」をアピールする町の面目を保ち、関係者は喜びと安堵(あんど)に包まれている。
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ランキングは町民有志でつくる「しばれ技術開発研究所」が監修したもので、2007年から集計、公表している。
「『冬の寒さ』とは瞬間的な最低気温ではなく、厳冬期全体の気温を反映するのが妥当」という考えのもと、1~2月末の朝の最低気温の「順位」に着目。全国ランキング1位地点に10ポイント、2位に9ポイント……と10位まで付与し、シーズン合計点で順位を判定する。
しばれ研によると、今季の陸別は215ポイントを獲得した。終盤は、幕別町糠内(2位、197ポイント)に追い上げられ、首位確定は2月27日までもつれ込んだが、18ポイント差で振り切った。日本一になった回数は13回で、次点の占冠(6回)を突き放した。
また、ポイントランキングの上位10地点中、最低気温が最も低かったのは占冠の零下25.6度(1月19日)で、陸別(零下24.6度、1月5日)は4番手だった。「シーズン最低気温という値でみれば陸別よりも寒い地域はあるが、コンスタントに寒い陸別は日本一寒い」。今季も、こう結論付けた。
ただ、今季は陸別にしては「暖かい冬」だったようだ。
期間中の陸別の朝の最低気温の平均は零下13.9度で、直近の10年で最も低かった2023年(零下21.8度)や次点の2016年(零下18.2度)などはおろか、「ポイントランキング日本一」から2位に陥落した2020年(零下15.2度)よりも高かった。零下30度を下回る日も昨年に続き、ゼロだった。
2007年から19年にわたり陸別の気象データを分析している「しばれ研」の空井猛寿さんは、「零下30度を記録したかどうかが『今年はえらい寒かったな~』のバロメーターになる」と指摘。零下25度を下回ると「今朝は寒かったねー」、零下30度を下回ると「やっと来たなー」という感覚だという。
「何はともあれ、暖冬で厳しい冷え込みがなかったとしても、結果的に『日本一』になったことはやっぱり気持ちがよい。20シーズン目も一喜一憂しながら取り組みを続けたい」(空井さん)
ランキングの詳細は、ホームページ(https://www.rikubetsu.info/ranking2025.html