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北陸新幹線の「米原ルート」着工を訴える山中商工会の田向公一会長(右)と、「米原ルート」の有効性を語った中川大・京都大名誉教授(中央)=2025年2月4日午後1時55分、石川県小松市大島町、安田琢典撮影

 北陸新幹線の敦賀以西の延伸をめぐり、石川県南部の小松、加賀、能美の3市と川北町の経済関係者らでつくる南加賀商工観光推進協議会が4日、小松市民センターで勉強会を開き、約70人が参加した。参加者からは、与党が進める「小浜・京都ルート」より建設費が少なく工期も短い「米原ルート」を推す声が相次いだ。

 小浜・京都ルートは、建設費が最大3.9兆円、工期が最長約28年と想定されている。小浜市を通って京都府を南下するルートで、京都府・市は、トンネル工事で出る大量の土の処分や地下水への影響などに懸念を示している。

 勉強会の講師として招かれた中川大・京都大名誉教授は「京都の人たちが『慎重に議論を』と言うことは、ほぼダメだということを意味している」と解説。その上で、米原ルートについて「課題とされる東海道新幹線への乗り入れも技術的には可能だ」などと有効性を主張した。

 北陸有数の温泉地を抱える山中商工会の田向公一会長は「在来線と新幹線の乗り継ぎが続くと、関西や中京方面の客にとって不便が続く。一刻も早く米原ルートでの着工を望む」と述べた。

 また、同協議会会長で小松商工会議所の西正次会頭は「地域振興や災害対策の観点からも、早期の開通を願っている」と訴えた。

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