北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸をめぐり、京都仏教会が28日、現行計画の白紙撤回を求める街頭署名を四条河原町交差点で集めた。
京都の約1千カ寺が加盟する京都仏教会は京都市内の大深度地下にトンネルを建設する現行計画について、地下水の水位低下や汚染を懸念。「豊かな地下水に育まれた食文化や世界遺産を含む数多くの国宝や重要文化財を擁する京都を台無しにし、『京都が京都でなくなる』計画」とし、白紙撤回を求める署名活動を2月から続けている。
仏教会が街頭に出て署名を呼びかけるのは今回が初めて。所属する僧侶や市民団体のメンバーら約25人が「北陸新幹線延伸計画 千年の愚行」などと書かれた旗などを手に、行き交う人たちに署名を呼びかけた。
同会常務理事で聖護院(左京区)の宮城泰年門主(93)は「山や谷や川、千年の自然が作り上げてきたものを壊すのは千年の愚行。子や孫の代にツケを残してはならない。90を超えた私に残っている時間を有効に、多くのみなさんに伝えていきたい」と訴えた。
2月からオンラインや郵送、銀閣寺(左京区)など加盟する寺で実施している署名は、6月27日時点で3万7779筆が集まっているという。7月にも松井孝治・京都市長と西脇隆俊知事に中間報告する予定という。