Smiley face
発言する野田聖子・衆院議員=植田真紗美撮影

 障がい児や医療的ケア児を育てながら働き続けるには何が必要かを考えるセミナー「多様性を認め合う風通しのよい社会をめざして」(朝日新聞厚生文化事業団など主催)が3月、オンラインで開かれた。医ケア児の母である野田聖子衆院議員、JR東日本の冨田哲郎前会長、電機連合の神保政史中央執行委員長が、障がい児や医ケア児の親の育児と就労の実態、必要な両立支援策などについて政労使の立場で講演した。当事者としてのリアルなエピソードも交えた抄録を紹介する。

 野田聖子さんは、医療的ケア児の長男真輝(まさき)さん(13)を夫と育てながら、閣僚や自民党総務会長などの要職を歴任。24時間ケアが必要な子の育児と多忙な仕事を両立させてきた経験や、数々の困難を経て得た知見、今後取り組みたい政策などについて語った。参加者の質問にも実体験を交えて答え、医ケア児や障がい児を育てる多くの親にエールを送った。(聞き手は共同通信社の市川亨編集委員とAERAの深澤友紀副編集長)

 ――特別支援学級に通う中学生の真輝さんは生まれつき障がいがあり、日常的に医療的ケアが必要だそうですね。

 「40代で始めた不妊治療を経て、卵子提供で真輝を授かったのが50歳のとき。妊娠17週目の超音波検査で『かなり重い障がい児になる』と診断されましたが、『産みます』と医師に伝えました。夫はどうしていいか分からないとオロオロしていましたが、そんな夫がいまや我が家の『主治医』。テレワークをしながら、息子のケアをメインでしてくれています」

 ――24時間ケアが必要な医ケア児の育児は寝不足にもなります。

 「新任の大臣が並んで写真撮…

共有