東京都千代田区発注工事を巡る官製談合事件で、警視庁は4日、同区の元行政管理担当部長の50代の男や、元契約課長の50代の男ら3人を官製談合防止法違反容疑で新たに書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。

 一連の事件では、業者側に情報を漏らしたとして元区議会議長と元区部長が逮捕・起訴されており、4日の送検で立件は区議側1人、職員側4人の計5人となる。千代田区を巡る政官業の根深い癒着が浮かんだ。

 捜査関係者によると、3人は元区議の嶋崎秀彦被告(64)らと共謀し、2020年5~8月にあった5件の工事の一般競争入札で、浜松市の配管工事会社側の依頼を受け、入札参加業者名を同社側に伝えるなどして、入札の公正を害した疑いがある。

 警視庁は今年1月、嶋崎被告と同区の元行政管理担当部長の吉村以津己(いづみ)被告(61)を同容疑で逮捕した。2月には、別の工事でも入札情報を業者に漏らした同容疑で2人を再逮捕した。3月には、入札情報を漏らす見返りに金品を受け取ったとして、嶋崎被告をあっせん収賄容疑で再逮捕し、同罪で起訴されていた。(福冨旅史、三井新)

官製談合防止法違反容疑で東京都千代田区役所本庁舎に家宅捜索に入る警視庁の捜査員ら=2024年1月24日午後5時53分、千代田区九段南1丁目、三井新撮影

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